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あまり日の目を見ないPassengerにスポットを当てる

2018-08-06 22:00:00 +0900

Passenger Rails Ruby

Phusion Passengerとは

非公式にはmod_railsとmod_rackとも呼ばれている。 役割としても、Apacheにインストールして、そのまま動かす当たりはやはり、mod_phpとかと被ってる。
イマドキだと、PumaやUnicornRubyのAppサーバーとしての主流だけど、こっちは「nginx + php-fpm」に近いイメージ。
今だからというのはあるけど、PassengerはDockerが無かったりした時代ではある程度メジャーな手法だったんだろうし、何より当時としては簡単なインストール方法だったのだ。

メリット

ApacheやNginxのモジュールとして稼働する
これのメリットとしては、特別にRailsアプリケーション用のコマンドを用意する必要がない、 すなわちsudo service apache2 (nginx) restartでだけで再起動できるし、色々できるというわけだ。
複数アプリケーションを立てたときのメモリの有効活用
これは具体的に言うと、Passengerでは一定期間リクエストがないインスタンスに関しては終了させ、 またリクエストがあったときにインスタンスを生成するという仕組みを取っているので、トラフィックが少ないサイトを沢山まとめて1つのサーバーで管理したい時に重宝する。 この終了までの期間に関してはPassengerの設定で変更することも可能である。
定期的な終了による小規模アプリケーションの安定稼働
Unicorn当たりでよくあるパターンは、ActiveRecordなどのCacheをどんどん溜めてしまってメモリが溜まってしまうというものだ。 Pumaは本番で余り触ったことがないので、よくわからないのだが、Unicornの場合は、unicorn-woker-killer によって、 一定回数のリクエストや、プロセス単体のメモリ容量によってプロセスの再起動を行う対策を取るのが一般的ではある。
Passengerではリクエストが無いときにはインスタンスを終了させるので、小規模なアプリケーションの場合は定期的に再起動を行っていることになり、 メモリ解放について気を使うことは、小規模なアプリケーションに限って言えば他のアプリケーションサーバーに比べると少ないのかもしれない。

デメリット

Apacheに同梱されているので、静的ファイルを返すときでもApache + Passengerが動く
結構痛い。 なるべく余計な処理をさせないようにするには、 静的ファイルを返すときにはアプリケーションサーバー(Passenger)は動いてほしくないものである。 静的ファイルが多めのサイトを運用する場合は避けたほうがいいかもしれない。
一応対策もあるが、それは別途Nginxを立ててReverseProxyする方法。 静的ファイルはNginxから、動的に処理しないといけないところをApacheでという方法。 でもそれだったら、Unicornとか、Puma使えば良くないですかということになる…
ビジネス向けでないとDeploy時・再起動時にダウンタイムが発生する
コレはPhusion Passengerの機能制限。有料のビジネス版を利用しないとリスタート時にダウンタイムが発生する。 すなわちgraceful startができない。 どのくらいダウンタイムが発生して、どのくらいの時間かは未検証だけど、止まるということは頭に入れておいてほしい。

どういうときに利用するのか

止むにやまれない事情で、少メモリ環境で、複数アプリケーションを立ち上げる案件
インフラの費用がなかったり、管理上1つのVMインスタンスで管理したいという時。あんまりないねー。
小規模なRedmineを自前で立てる必要がある場合
いや、もうDocker使えよ…という話なんだろうけど、複数のRedimineアプリケーションを1つのサーバーに立てる時に何かと重宝する。 あと、単純に資料が多いというの公式のインストールマニュアルがあるしね。

積極的に使う理由が余り見当たらない…

普通にアプリケーション作っているんだったら、やっぱり、PumaかUnicornが無難。 元々Passenger使っていたとか、複数のRailsアプリケーションを1つのサーバーに同居させて管理する場合のみ、Passengerを使うべきであるというのが自分の出した答えである。

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